ダイエットに漢方薬は効果的?痩せやすい体質に改善できる漢方薬はある?

この記事の監修者

前田 裕斗

産婦人科専門医

経歴

2013年3月 東京大学医学部医学科卒業
2015年3月 川崎市立川崎病院にて初期臨床研修修了
2015年4月 神戸市立医療センター中央市民病院産婦人科専攻医
2018年4月 国立成育医療研究センター産科フェロー
2018年10月 日本産科婦人科学会産婦人科専門医取得
2021年4月 東京医科歯科大学国際健康推進医学分野博士課程在学

多くの方が一度は挑戦したことがある「ダイエット」。食事を制限したり、運動をしたり、なかなか思うようにダイエットを成功させたことのある方は少ないです。

ダイエットに苦労している方の中には、便秘や代謝の低下、むくみになりやすいなどの体質がダイエットを邪魔している可能性があります。 そういった体質に関わる不調は漢方薬を用いて体質改善を行いながら、ダイエットするという方法があります。

そこで本記事では、「ダイエットに効果的な漢方薬」について解説します。どのようなメリット・デメリットがあるのか、どのような方に適しているかなどをご紹介します。

この記事でわかること
  • 漢方薬を使用したダイエットの特徴
  • 漢方薬を使用がおすすめな方
  • ダイエットで用いられる漢方薬の種類

漢方でダイエットはできる?

漢方薬を使用することで、ダイエット効果は期待できます。しかし、注意していただきたいのが、ただ服用していれば不摂生な生活をしても大丈夫というわけではないことです。

実際に医療機関で行われるダイエットでも漢方薬が処方されますが、あくまでもダイエット目的の治療や生活管理と併用されます。 漢方薬は体質改善に適しており、便秘やむくみ、代謝の低下、暑がり、溜め込みやすいといったダイエットの妨げになりうる体質的な要因を緩やかに改善していきます。

従って、痩せにくい体質を改善し、通常よりもダイエットの効果を高める補助的な役割が大きいのです。

ダイエットに漢方薬を使用するメリット・デメリット

ダイエットに漢方薬を使用するメリット・デメリットを紹介します。漢方薬ダイエットには個人の体質によって向き・不向きがあります。 漢方薬を取り入れる前に、漢方薬の特徴について理解しておきましょう。

ダイエットに漢方薬を使用するメリット

ダイエットに漢方薬を使用する最大のメリットは体質改善を行うことで、「痩せやすい体」へ整えてくれる点です。 ダイエットの妨げになる体質の例

  • 便秘
  • むくみやすい
  • 暑がり
  • 暴飲暴食
  • 代謝が低い
  • 疲れやすい

上記のような体質はダイエットをする上で、成功を邪魔する要素です。そのため、食事制限や運動をがんばったとしても、思うように成果が出ないことがあります。

成果が出なければモチベーションが下がり、挫折してしまう場合もあります。 漢方薬は痩せやすいように体を整え、ダイエットを成功へ導く補助的な要素として活躍します。

ダイエットに漢方薬を使用するデメリット

漢方薬のデメリットは副作用がある点です。服用された方の中には発疹、かゆみ、胃もたれ、下痢といった不調が現れることがあります。 服用された方の体質や薬との相性によっても副作用がでるかどうかは変わります。

そのため、飲み始めは体に異常がないかを確認しつつ、様子をみながら服用しましょう。 もし、体に異常がみられた場合は医師や薬剤師、登録販売者などに症状を伝えて、服用を一度中止しましょう。

ダイエットに効果が期待できる漢方薬

ダイエットに効果が期待できる漢方薬には以下の5種類があります。

この他にも状況によって用いられる漢方薬もありますが、主に使用される頻度が高いのは上記の5種類になります。

漢方薬 期待できるダイエット効果

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)

  • 慢性的な便秘持ち
  • 暴飲暴食してしまう方
  • 肩こりやのぼせなどがある方
防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)
  • 筋肉が少なくむくみやすい方
  • 水太りしている方
  • 疲れやすく体力がない方
大柴胡湯(だいさいことう)
  • イライラしやすく食べ過ぎてしまう方
  • ストレスを溜め込みやすい方
  • 便秘気味・頭痛・肩こりなどの慢性的な不調を感じている方
桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
  • PMS症状でお悩みの方
  • 便秘気味でのぼせやすい方
  • 血行が悪く青あざができやすい方
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
  • 体が冷えやすくむくみやすい方
  • 貧血の傾向があり体力がない方
  • PMSや月経不順などの女性特有の悩みをお持ちの方

他にも体質・体調やストレス状況など合わせて、桂枝茯苓丸、加味逍遙散などを使い分けます。

漢方薬を選ぶ際の注意点

漢方薬は体質によって使い分ける必要があります。そのため、誰でもどの漢方薬を選んでもよいというわけではありません。 ご自身に合った漢方薬を選ばないと、求めている効果が期待できません。しかも、体調や症状は漢方の服薬と共に変わっていく、つまり自分に合った漢方が変化していくことから、ずっと同じ漢方を服用していると効果が出にくくなっていくこともあります。

また、デメリットでもお話したように副作用が現れることもあります。 漢方薬を選ぶ際はご自身の状態をしっかりと把握し、医師・薬剤師・登録販売者などの専門家へ相談することをおすすめします。

ダイエットに効果的な漢方を手に入れるには

ダイエットに効果的な漢方薬があることがおわかりいただけたところで、実際に漢方を手に入れる方法についてご紹介します。 漢方薬はサプリメントではなく、医薬品に分類されるため、コンビニやスーパーなどでは手に入りません。医薬品と同じように購入することになります。その例を以下にご紹介します。

病院を受診して処方できる

病院で医師に相談して処方薬として漢方を処方してもらえます。かかりつけの専門医に相談してもよいですし、漢方処方の経験がない方は内科を受診してみましょう。 相談する際は、自分がどのような状態でどうしたいかという理由を明確に伝えて、漢方薬を処方してほしい旨を伝えてください。

ネットで購入する

病院に行く時間がない、相談することに抵抗がある、という方はインターネットで購入も可能です。 医師監修の問診をLINEから無料で受けられるサービスや、そこからご自身の体質にピッタリな漢方のキットを選んでくれるサービスもあります。

対面で相談するのが恥ずかしい、忙しくて病院に行く時間がないという方も気軽に相談することができる上に、ネット注文であれば自宅に漢方薬が届いて非常に便利です。その時々の状態によって気軽に漢方を変更することもできます。

オーダーメイド漢方定期便

医療ダイエットで漢方薬も用いて施術するクリニックがある

医療ダイエットのひとつとして漢方薬が用いられているクリニックもあります。医療ダイエットは専門家の指導のもと、医学的な知見を駆使した、画期的なダイエットプログラムのひとつです。

その医療ダイエットの中で、漢方薬が取り入れられることもよくあります。専門家が体質をみながら、しっかりとあなたに合う漢方薬を選んでくれます。

漢方薬を使用する医療ダイエットのメリット

自分ひとりではなかなかダイエットが続かない、成功したけれどすぐにリバウンドした…といったダイエット失敗談をよく耳にします。

医療ダイエットでは、クリニックで専門家と相談してご自身に合ったダイエット方法を取り入れながら、効果的に漢方薬を使用します。 医療ダイエットはひとりで行うダイエットに比べて、健康的に、効率的なダイエットが行えるため、おすすめです。

漢方薬を使用する医療ダイエットはこんな人におすすめ

医療ダイエットはこれまでダイエットに成功したことがない方、リバウンドしてしまった方、専門的な知識を持った人からのアドバイスを受けたい方、無理なく健康的に痩せたい方…などにおすすめです。

医療ダイエットは第三者からの専門的なアドバイスがもらえるというのが、ひとりダイエットにはない最大の特徴です。誰かと関わりながら目標を目指すことは、モチベーションの維持にも効果があり、ダイエットの成功率を高めてくれます。

まとめ

今回は漢方薬を用いたダイエットについて解説してきました。漢方薬は痩せにくい体質を改善して、ダイエットを効果的に行えるように助けてくれる効果があります。

ダイエットに使用される漢方薬の例
  • 防風通聖散
  • 防己黄耆湯
  • 大柴胡湯
  • 桃核承気湯
  • 当帰芍薬散
  • 加味逍遙散
  • 桂枝茯苓丸

また、漢方薬は病院やクリニックで処方してもらう、またはインターネットから手に入れられます。これまで上手くダイエットが成功していない方は、ぜひ漢方薬を取り入れてもう一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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